4 運動器疾患患者における運動耐容能規定因子

Factors of Exercise Tolerance in Patients with Motor Function Disorders

要旨　運動器疾患患者の中で，特に変形性関節症（osteoarthritis：OA）の患者は長期にわたる歩行・移動能力の低下から，日常身体活動量が減少し，その結果として有酸素能力（心肺フィットネス）が低下することが問題となる．これは，activities of daily living（ADL）低下をもたらすだけでなく，長期的にみると動脈硬化性疾患発症または悪化につながってくる．これを予防するためには，心肺フィットネスを定期的に測定し，適切な時期に手術治療を考慮することと，手術の有無にかかわらず患者への有酸素トレーニングを主体にした運動指導を行うことが望まれる．長期的な視野に立った予防的なリハビリテーション医療の視点が重要と考える．