Japanese
English
実践講座 脳卒中急性期に活用可能な評価スケール・第3回
下肢機能・移動能力
Lower extremities function, ability of locomotion.
丸本 浩平
1
,
道免 和久
1
Kohei Marumoto
1
,
Kazuhisa Domen
1
1兵庫医科大学リハビリテーション医学教室
1Department of Physical Medicine and Rehabilitation, Hyogo College of Medicine
キーワード:
下肢機能
,
歩行
,
評価
,
脳卒中
Keyword:
下肢機能
,
歩行
,
評価
,
脳卒中
pp.665-670
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102133
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
日本人の死亡原因として,脳卒中は癌,心疾患についで第3位であり,寝たきりになる疾患の第1位である.当然わが国において脳卒中の予防と治療が重要であることは疑いのないところである.治療については2005年に遺伝子組み換え組織プラスミノゲンアクチベーター(recombinant tissue plasminogen activator;rt-PA)がわが国でも認可され,脳梗塞の治療が大きく変化した.またリハビリテーションの重要性に関して,「脳卒中治療ガイドライン2009」(脳卒中合同ガイドライン委員会・編)で,急性期早期からのリハビリテーションチームによる集中的なリハビリテーションが強く推奨されている.また脳卒中片麻痺の経過中に痙縮などを伴うことも多く,これに関しても2010年にA型ボツリヌス毒素製剤(botulinum toxin type A)の痙縮への適応が認可され,脳卒中のリハビリテーションを行ううえでもさらに機能評価が重要になってきている.
また近年では,神経科学領域における運動学習理論の進歩は目覚ましいものがあり,脳卒中の下肢機能を正確に評価し,その症状に応じた運動の再学習をすることが,その後の移動・歩行機能の再獲得に非常に重要になってくる.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.