Japanese
English
特集 BMIとリハビリテーション
仮想現実を操作する非侵襲BMIを使ったリハビリテーションの現状と未来
Virtual reality based-brain-machine interface rehabilitation:current status and future prospects.
橋本 泰成
1
,
牛場 潤一
2
Yasunari Hashimoto
1
,
Junichi Ushiba
2
1慶應義塾大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻
2慶應義塾大学理工学部生命情報学科
1School of Fundamental Science and Technology, Graduate School of Science and Technology, Keio University
2Department of Biosciences and Informatics, Faculty of Science and Technology, Keio University
キーワード:
仮想現実
,
筋ジストロフィー
,
非侵襲BMI
Keyword:
仮想現実
,
筋ジストロフィー
,
非侵襲BMI
pp.1031-1036
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101889
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はじめに
Brain-machine interface(BMI)は,脳活動によって機械を操作する(あるいは機械から脳に情報を送る)身体代替技術のことを指す.古くは1971年に米国でBMIの研究が始まり,その原型が示された1).2000年代に入るとサルでのロボットアーム操作2)や脊髄損傷患者でのカーソル操作3)などの実証実験が相次いで発表され,BMIは工学や医学などを専門とする世界中の研究者を巻き込んだ一大研究フレームとして勃興期を迎えつつある.脳がどのような原理で情報を処理しているのか,という一端が脳科学の発展とともに明らかにされ,その応用技術としてBMIが隆盛しつつあるとの見方もできる.その一方で,脳と機械を直接つなぐ発想そのものは長年にわたって小説や映画におけるサイエンスフィクション(SF)のなかで繰り返し使われてきたことが,BMIの着想の根底にあると思われる.
次項以降では,SFにみられるBMIの例を挙げたうえで,筆者らが開発してきた仮想現実内のアバターを操作するBMIの概要を説明し,慢性期筋ジストロフィー患者におけるBMIの長期利用について報告をしたい.
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