Japanese
English
特集 BMIとリハビリテーション
侵襲型BMIの進歩
Progress in invasive BMI.
平田 雅之
1,2
,
柳澤 琢史
1
,
松下 光次郎
1
,
後藤 哲
1,2
,
菅田 陽怜
2
,
吉峰 俊樹
1,2
Masayuki Hirata
1,2
,
Takufumi Yanagisawa
1
,
Kojiro Matsushita
1
,
Tetsu Goto
1,2
,
Hiroto Sugata
2
,
Toshiki Yoshimine
1,2
1大阪大学大学院医学系研究科脳神経外科学
2大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻機能診断科学
1Department of Neurosurgery, Osaka University Graduate School of Medicine
2Division of Functional Diagnostic Science, Osaka University Graduate School of Medicine
キーワード:
侵襲型BMI
,
皮質脳波
,
ロボット制御
,
ワイヤレス完全埋込
Keyword:
侵襲型BMI
,
皮質脳波
,
ロボット制御
,
ワイヤレス完全埋込
pp.1037-1044
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101890
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はじめに
近年,筋萎縮性側索硬化症(ALS),脊髄損傷や脳卒中後の運動麻痺をはじめとする脳機能障害患者に対して,brain-machine interface(BMI)技術を用いて機能補塡を図ろうとする研究が盛んになりつつある1).BMIとは脳信号を計測してこれをコンピュータで解読(デコーディング)して,脳信号の意味するところ,すなわち脳機能の内容を推定し,外部機器を思い通りに操作することにより,失われた神経機能を代行させる技術であり(図1),brain-computer interface(BCI)とも呼ばれる2).神経移植や神経再生による神経機能回復が比較的長期的展望にたった将来技術であるのに対して,BMIを用いた機能再建はより短期で実現可能なアプローチとして期待されている.
BMIには頭蓋内に電極などを留置して脳信号計測を行う侵襲型BMIと,頭皮脳波などを用いて体外から非侵襲的に脳信号計測を行う非侵襲型BMIがある.侵襲型BMIは,さらに脳実質内への刺入電極を用いる高侵襲型BMIと,脳の表面においた電極から直接脳波(皮質脳波)を計測する低侵襲型BMIに分けられる.本稿では,この侵襲型BMIについて概説し,次いで主にわれわれが現在研究開発している皮質脳波を用いた低侵襲型BMIについて紹介する.また,最後に将来的な臨床応用について展望する.
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