Japanese
English
特集 BMIとリハビリテーション
脳情報の記録と判読―非侵襲脳計測と神経デコーディング
Non-invasive neural recording and decoding.
堀川 友慈
1,2
,
神谷 之康
1,2
Tomoyasu Horikawa
1,2
,
Yukiyasu Kamitani
1,2
1奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科
2ATR脳情報研究所
1Graduate School of Information Science, Nara Institute of Science and Technology
2ATR Computational Neuroscience Laboratories
キーワード:
非侵襲脳計測
,
神経デコーディング
,
機能的磁気共鳴画像法(fMRI)
,
ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)
Keyword:
非侵襲脳計測
,
神経デコーディング
,
機能的磁気共鳴画像法(fMRI)
,
ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)
pp.1025-1030
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101888
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はじめに
近年の非侵襲脳計測技術の進歩は,ヒトの脳計測信号からさまざまな情報を解読することを可能にした.脳活動から,外界の刺激,被験者の認知や運動に関する情報を読みだすことを神経デコーディングという.現在,神経デコーディングは,脳の情報表現を探るためのツールとして神経科学の分野で広く使用されており,脳活動解析のスタンダードとしての地位を確立しつつある.また,身体を介さずに脳から直接情報を読みだし,機械やコンピュータを動かすブレイン・マシン・インターフェイス(brain-machine interface;BMI)あるいはブレイン・コンピュータ・インターフェイス(brain-computer interface;BCI)の実践的利用のために,今後の発展が期待されている技術でもある1).
本稿では,まず非侵襲脳計測法について概観し,次に神経デコーディングの概念を説明する.その後,機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging;fMRI)を用いた神経デコーディングに関するいくつかの研究例を紹介し,最後にfMRIデコーディング研究における問題点と今後の展望について述べる.
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