Japanese
English
特集 リハビリテーションと臨床心理
慢性疼痛
Chronic pain.
中島 恵子
1
Keiko Nakashima
1
1帝京平成大学健康メディカル学部臨床心理学科
1School of Clinical Psychology, Faculty of Health Medical Department, Teikyo Heisei University
キーワード:
痛み行動
,
認知行動療法
,
自動思考
Keyword:
痛み行動
,
認知行動療法
,
自動思考
pp.735-743
発行日 2010年8月10日
Published Date 2010/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101828
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はじめに
リハビリテーション医療では,神経・筋・骨格系の運動障害などを治療対象とし,機能障害の回復はもとより,これらによる能力低下あるいは社会への不適応状態を改善し自立をめざす.
能力低下を捉えるためには日常生活動作(ADL)の評価が必要となる.慢性疼痛も同様に,痛みが患者の日常生活にどのような影響を与え,それによってどの程度の社会的不利をもたらしているかを適切に評価することが不可欠である.明確な病変が見当たらない,あるいは病変はあるものの,本人の訴える痛みの程度が障害の程度と見合わない場合,心理・社会的評価が必要となる.リハビリテーション医療は,身体障害と心理・社会的障害の評価・訓練を同時に行うチーム医療である.
本稿では,リハビリテーション医療において,心理士が心理・社会的評価に基づき,どのような治療プログラムを立て,実際に心理療法(認知行動療法:cognitive behavioral therapy)を行うのかを,自験例を通して具体的に述べる.
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