特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい
【医師の不安への処方箋】
自分の“内なる声”を聴く—不安を受け止め、味わい、そして手放すために
宮崎 仁
1
1宮崎医院
キーワード:
医師の不安
,
自動思考
,
スキーマ
,
認知行動療法
,
マインドフルネス
Keyword:
医師の不安
,
自動思考
,
スキーマ
,
認知行動療法
,
マインドフルネス
pp.1226-1229
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201120
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
ありふれた「かぜ診療」でも不安と恐れから逃れられない医師
ここは街場の診療所である。5日前に咳と発熱のために受診した患者が、本日再診となった。患者は「すぐによくなる薬を出してくれと頼んだのに、ぜんぜん効かない。会社は絶対に休めないので、早く治してほしい」と、院長である医師(55歳・男性、卒後30年目の内科医)に訴えた。医師の頭の中では、「患者を怒らせてしまった」「温厚そうに見えたが、怒るとヤクザみたいな感じで迫ってきて怖いな」「本当はかぜではなく、重大な病気が隠れているのを見逃しているのかも」「かぜには抗菌薬は不要だけど、心配だから強力なキノロンを処方しておくか」「でも不要な抗菌薬のために、ひどい副作用が発生したら訴訟で負けるぞ」「解熱薬や鎮咳薬をてんこ盛りにして、症状を消してしまえば、文句はないだろう」といった、さまざまな思いが去来している。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.