Japanese
English
特集 自動車運転再開に向けた取り組み
現状と課題
Present conditions and problems to be solved
蜂須賀 研二
1
Kenji Hachisuka
1
1独立行政法人労働者健康安全機構九州労災病院門司メディカルセンター
1Moji Medical Center, Kyushu Rosai Hospital, Japan Organization of Occupational Health and Safety
キーワード:
自動車運転
,
自動車運転リハビリテーション
,
運転再開
,
シミュレーター
Keyword:
自動車運転
,
自動車運転リハビリテーション
,
運転再開
,
シミュレーター
pp.291-296
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200904
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はじめに
自動車運転に関するリハビリテーションの取り組みを自動車運転リハビリテーション(driving rehabilitation;DR)と称するならば,DRの試みは1960年代に始まり,公的な大規模リハビリテーション施設を中心に実施されるようになってきた.自動車運転は,座位を保持してハンドルやペダルを適切に操作する運動情報処理と判断,注意の保持や配分,円滑で効率的な操作処理など,一定レベルの総合的な認知・身体機能を必要とする.当初はポリオ,切断,関節障害,対麻痺(脊髄損傷)など,身体障害者の運転操作訓練が主体であったが,対象疾患は脳卒中や高次脳機能障害など,認知機能に障害を有する患者へと広がってきた.近年,超高齢社会の到来,高次脳機能障害支援モデル事業・支援普及事業の実施,てんかんや認知症患者の自動車事故報道などにより,高齢者や脳に何らかの疾病を有する者の自動車運転や運転再開が,社会的にもきわめて注目されるようになってきた.そこでわが国におけるDRの歴史,産業医科大学における自動車運転再開の取り組み,そして現状と課題に関して概説することにした.
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