Japanese
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特集 ITとリハビリテーション
回復期リハビリテーションチームにおけるITの活用
Use of information technology in rehabilitation team.
菅原 英和
1
Hidekazu Sugawara
1
1東京都立大塚病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Tokyo Metropolitan Ohtsuka Hospital
キーワード:
電子カルテ
,
データベース
,
情報の共有化
Keyword:
電子カルテ
,
データベース
,
情報の共有化
pp.7-14
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101675
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はじめに
400床以上の病院での電子カルテの普及率は,2000年にはわずか0.4%に過ぎなかったが,2008年には37.6%に達している1)(図1).2001年に厚生労働省が「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」で掲げた「2006年までに全国400床以上の病院の6割以上」という目標は達成されなかったが,今後も病院や診療所における電子カルテの導入は着実に進んでいくものと思われる.
電子カルテ導入のメリットとして,業務効率の改善や省力化,情報共有の改善,医療サービスの標準化・質の向上などが言われている2).チームでの情報共有が重要な位置を占める回復期リハビリテーション病棟は,急性期病院と同等か,それ以上に電子カルテ導入のメリットを享受できるはずである.しかし実際には,回復期リハビリテーション病棟におけるカルテの一元化,一覧化は,2008年には67.5%,84.7%の施設で達成されているものの,電子カルテの普及率は21.1%にとどまり,急性期病院に比べてやや伸び悩んでいる3)(図1).
都立大塚病院(以下,当院)には2004年に電子カルテが導入されたが,既存の電子カルテでは回復期リハビリテーションチームを支える情報共有ツールとして不十分であると判断し,独自にデータベースを作成し,電子カルテと併用する形で運用している.今回,当院で作成したデータベースを紹介することで,リハビリテーションチームに必要なinformation technology(IT)についての議論の一助となればと考えている.
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