特集 診療所診療とIT
診療所診療とITのあり方
川出 靖彦
1,2
1岐阜県医師会
2川出医院
キーワード:
電子カルテ
,
医療IT
,
外来診療のIT化
,
電子サマリ
,
診療情報
Keyword:
電子カルテ
,
医療IT
,
外来診療のIT化
,
電子サマリ
,
診療情報
pp.340-343
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101681
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この20年間における急速なIT(Information Technology)の普及は市民の価値観に大きな変化をもたらした.買う側と売る側の間,あるいは時間や空間の間に大きく立ちはだかっていた情報の不均衡や,国家・地域・人種・社会的地位・思想・時間・空間などさまざまな障壁を取り払い,コミュニケーション(ネット化)を広げ,ネット上での情報交換(コラボレーション:共同)により,横並びから個人趣向優先(パーソナル)の個人主義へと価値観のパラダイムシフトを引き起こした.
医療の世界においても,患者と医療提供者との間にあった情報の不均衡解消が要求され,患者の権利尊重,患者自らの治療選択や治療介入が叫ばれるようになっている.こういった時代の要求に対して,われわれ医師は遠くヒポクラテスの時代より続いてきた臨床医の診断方法あるいは治療の選択方法を変化させ,患者の理解と納得,さらに賛同を得ながらともに診断・検査・治療を行う必要に迫られている.これからの医療人は①常に最新で最良の医療が行えるように,医学知識を学び進化し続ける,②患者の立場に立った,患者の決断に応えられる医療を行うために,コミュニケーションにつとめる,③医療によって引き起こされるさまざまな事故や障害を未然に防ぐ,あるいはその徴候を早期に見出し対処する,この3点の実行を求められている.
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