Japanese
English
特集 ITとリハビリテーション
認知機能評価とIT
Computer-based assessment of general cognitive function.
渡辺 基
1
,
安保 雅博
2
,
橋本 圭司
3
Motoi Watanabe
1
,
Masahiro Abo
2
,
Keiji Hashimoto
3
1東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科
2東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
3国立成育医療センターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, The Jikei University Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, The Jikei University School of Medicine
3Division of Rehabilitation Medicine, National Center for Child Health and Development
キーワード:
認知機能評価
,
頭部外傷(TBI)
,
コンピュータ
,
CogHealth
Keyword:
認知機能評価
,
頭部外傷(TBI)
,
コンピュータ
,
CogHealth
pp.15-20
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101676
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はじめに
脳血管障害や頭部外傷(TBI),認知症などのさまざまな原因により高次脳機能障害や認知機能障害を呈した患者のリハビリテーションでは,その複雑な症状を正確に把握するための一助として,各種の神経心理学的検査による評価が必要不可欠となっている.しかし,記憶障害や注意障害,前頭葉機能障害といった障害の精査のための検査には,実施に長時間を費やすものもあり,疲労などの被験者側の要因や限られた診療時間,また,各施設の設備などの条件を勘案すると,臨床の現場でそのすべてを実施することは現実的でないこともある.そういった場合,患者のどのような認知機能が障害されているのかを簡便に把握するための全般的なスクリーニング検査の実施が有用である.
この分野で最もポピュラーに用いられているMini-Mental State Examination(MMSE)をはじめ,多くは机上で紙や鉛筆を用いて,検査者による教示によって実施されている.一方で近年,とりわけ海外では,検査媒体としてコンピュータを用いたものがその数を増しているようである.
本稿ではまず,コンピュータ化された認知機能スクリーニング検査に関する国内外の動向や,その長所,短所について概観する.次にそれらの検査の一例として,東京慈恵会医科大学附属病院(以下,当院)で運用している“CogHealth”について,その内容や特徴などを紹介する.さらに当院での実施例のなかで,慢性期の頭部外傷症例群におけるCogHealthのデータを示し,その臨床的有用性について若干の考察を加えて報告したい.
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