郊外診療所とIT活用

　筆者のいるクリニックが開院したのは今から3年あまり前のことで，開院前よりクリニックに電子カルテを導入することは当然と考えていた．以前に勤務していた診療所では，紙カルテにレセコンを併用していたが，紙カルテに記載した検査や処方内容などを事務員がレセコンに入力する必要があったため，会計までに時間がかかった．患者のカルテが所定の位置にないと，探すのに一苦労することもあった．せっかく紙に書いたものをまたパソコンに入力するのであれば，最初からパソコンに入力したほうが合理的だし，電子カルテであれば，患者やその家族を検索するのも容易である．また複数の医師でクリニックを運営する場合に情報を共有しやすい．しかしネックとなるのがその費用で，診療所向けの電子カルテでも初期導入に数百万円かかるものも多い．筆者が選んだ電子カルテはかなり安価なもので，ハードの購入と合わせても百万円以内で済ますことができた．