Japanese
English
特集 聴覚障害者のリハビリテーション
聴覚障害乳幼児の早期発見と早期指導
The Early Confirmation and Treatment for Infants and Young Children with Hearing Impairment.
吉野 公喜
1
Tomoyoshi Yoshino
1
1横浜国立大学教育学部
1Yokohama National University, Faculty of Education.
キーワード:
早期発見
,
母親指導
,
学習の最適時期
,
発達的診断
,
早期インテグレーション
Keyword:
早期発見
,
母親指導
,
学習の最適時期
,
発達的診断
,
早期インテグレーション
pp.699-706
発行日 1976年9月10日
Published Date 1976/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103619
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はじめに
ヒトにおいて,発達初期の感覚経験がその後にひき続く認知発達,社会性および情緒的発達そして言語発達に重要な役割を演ずることは,Hebb,D.O.(1958)1),Hess,R.D. et al.(1965)2),Kagan,J.(1971)3)らの行動発達研究の明らかにするところである.一般に正常な感覚を有する乳幼児は,生後6ヵ月頃より,感覚の統合をはかるようになり,環境へ積極的にはたらきかけて,個体内交信(intra-individual communication)を,そしてさらには個体間交信(inter-individual communication)を発達させて,認知機能を高めてゆく.
発達初期より,聴覚刺激がはく奪される場合,個体は知覚の体制化,認知の構造化そして音声言語記号の体系化に著しいマイナスの影響をこうむる.それゆえ,聴覚障害乳幼児の早期発見,早期診断は,聴覚機能の発達障害をできるだけ軽減し,言語機能の発達補償をかなえていくという早期指導にひきつがれてこそ,はじめて意味をもつ.
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