Japanese
English
特集 サイコーシスとは何か—概念,病態生理,診断・治療における意義
早期介入の視点からみたサイコーシス
What is Psychosis?: from the Perspective of Early Intervention
松本 和紀
1
Kazunori Matsumoto
1
1こころのクリニックOASIS
1Kokoro no Clinic OASIS, Sendai, Japan
キーワード:
精神症スペクトラム
,
psychosis spectrum
,
統合失調症
,
schizophrenia
,
早期介入
,
early intervention
,
臨床的ハイリスク
,
clinical high risk
,
初回エピソード精神症
,
first episode psychosis
,
FEP
Keyword:
精神症スペクトラム
,
psychosis spectrum
,
統合失調症
,
schizophrenia
,
早期介入
,
early intervention
,
臨床的ハイリスク
,
clinical high risk
,
初回エピソード精神症
,
first episode psychosis
,
FEP
pp.305-313
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206293
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抄録 現代のサイコーシスの概念は,健常者から連なるスペクトラムを想定しており,統合失調症はサイコーシスのスペクトラムの重症の極にあると位置付けられている。早期介入の流れは,統合失調症をピラミッドの頂点に見立てた場合,ピラミッドの裾野へと広がる方向へと推し進められてきた。一方で,病態の重症性や慢性性を疾患概念の中に内包する統合失調症の概念と早期介入の方向性とは背反する側面も多い。疾患の早期段階に介入することで,その後の経過の軌跡をよりよい方向に変化させようとする早期介入の視点にとって,統合失調症と比べ異種性や可変性が高いサイコーシスの概念は,研究面においても,実践面においても有用性が高く,サイコーシスのスペクトラム概念は早期介入の領域では広く受け入れられてきた。最近は,さらに診断横断的な早期介入の取り組みを後押しする方向で研究や実践が新たに展開してきている。
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