連載 印象に残ったリハビリテーション事例
片麻痺の分布特性に合わせてリハビリテーション介入を工夫した脳卒中の1例
畠中 めぐみ
1
,
宮井 一郎
1
1森之宮病院神経リハビリテーション研究部
キーワード:
脳卒中
,
上肢近位筋優位麻痺
,
BFO
Keyword:
脳卒中
,
上肢近位筋優位麻痺
,
BFO
pp.904-907
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101340
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
上肢麻痺の分布の神経基盤
リハビリテーション医学に携わる医師にとって,患者の病態を科学的根拠に基づいて理解してリハビリテーション介入を工夫し,結果としてその妥当性が確認できることは大きな喜びの一つであろう.
さて,脳卒中の上肢麻痺は,遠位筋優位に障害が強いのが大半だが,近位筋が優位に障害されている場合にも時にみられる.このような例の場合,徐々に近位筋の分離が増して機能予後の良い例と,指先が動いても肩甲帯や上腕のコントロールが悪く,実用的使用にこぎつけない例とが想定される.私たちは先に,皮質下の初回脳卒中に起因する遠位筋優位麻痺と近位筋優位麻痺との臨床的特徴と,神経機能検査,リハビリテーションによる予後の相違について検討した1).
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.