連載 印象に残ったリハビリテーション事例
長期経過で改善を認めた脳外傷の1例
岡崎 英人
1
,
岡本 さやか
1
,
園田 茂
1
1藤田保健衛生大学七栗サナトリウム
キーワード:
長期経過
,
脳外傷
Keyword:
長期経過
,
脳外傷
pp.908-911
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101341
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はじめに
近年の診療報酬改定により,診療体系が疾患別となり,さらにリハビリテーションの算定期限が設けられるようになった.そのため,長期入院を継続する機会が少なくなってきている.これは,治療の不用意な長期化を制限できる反面,発症から半年以降になっても症状の変化を認める症例では,算定期限内,回復期の期限内にリハビリテーションが途中で終了されることが少なくない.とくに経験年数の若い医師やセラピストにとっては,半年以内に変化がなければ,その後は全く変化が認められないと思えてしまうことも多い.しかし,時間経過とともに徐々に機能障害が改善し,ようやく能力改善に向けた訓練が可能になる症例が少数ながら存在する.とくに脳外傷後の患者では,米国のデータベース研究によると受傷後1年後でもFIM(Fuctional Independence Measure)の点数が改善しており,回復に時間を要する1).今回,時間を経てから入院リハビリテーション加療を行った症例を紹介する.
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