Japanese
English
症例報告
舌咽神経鞘腫による嚥下障害例へのリハビリテーション
Rehabilitational approach for the patient with dysphagia on glossopharyngeal schwannoma:a case report.
室田 由美子
1
,
河野 道宏
2
,
丸茂 一義
3
,
河人 亜紀
1
Yumiko Murota
1
,
Michihiro Kouno
2
,
Kazuyoshi Marumo
3
,
Aki Kawahito
1
1東京都警察病院リハビリテーション科
2東京都警察病院脳神経外科
3東京都警察病院内科
1Department of Rehabilitation, Tokyo Metropolitan Police Hospital
2Department of Neurosurgery, Tokyo Metropolitan Police Hospital
3Department of Internal Medicine, Tokyo Metropolitan Police Hospital
キーワード:
舌咽神経鞘腫
,
頸静脈孔神経鞘腫
,
嚥下リハビリテーション
,
息こらえ嚥下
Keyword:
舌咽神経鞘腫
,
頸静脈孔神経鞘腫
,
嚥下リハビリテーション
,
息こらえ嚥下
pp.177-182
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101183
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はじめに
脳腫瘍のなかで神経鞘腫の占める割合は10.3%である1).頸静脈孔に発生する神経鞘腫ではVernet症候群(嚥下障害,軟口蓋・咽頭麻痺,声帯麻痺,胸鎖乳突筋麻痺)やCollet-Sicard症候群(Vernet症候群に加え,舌の麻痺)を呈することがある.舌咽神経鞘腫により嚥下障害を呈することは知られているものの,嚥下障害に関する詳細な文献は著者らが知り得た範囲ではSasakiら2)に限られている.また,リハビリテーションまで含めた神経鞘腫の文献は,舌下神経鞘腫例では武原ら3)と藤本ら4)が,聴神経腫瘍では小泉ら5)が報告しているものの,術前術後の嚥下機能の変化を比較検討したものはなく,舌咽神経鞘腫例においては見当たらなかった.今回われわれは舌咽神経鞘腫の嚥下障害例を経験し,術前術後を通して嚥下機能評価およびリハビリテーションを実施したので報告する.
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