学会報告
第53回神奈川リハビリテーション研究会―2002年10月26日(土),於:北里大学医療衛生学部2階23番教室
前田 真治
1
1北里大学東病院リハビリテーション部
pp.391-392
発行日 2003年4月10日
Published Date 2003/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100842
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1.右半側無視が長期残存した左手利き左脳損傷の1例
北里大学医療衛生学部
大島 愛・前田 真治・安部 知佳
荒巻さと美
左脳損傷で失語症状を呈さず右半側無視が長期残存した症例を経験し,本症例における右半側無視の発生機序とリハビリテーション上の留意点を検討した.症例は78歳,男性,生来左手利き,小児期に右手に矯正した.平成14年3月21日に脳梗塞発症し,右片麻痺・幻覚・幻視・右半盲を認めた.MRIにて左内頸動脈閉塞と診断された.神経現症:Brunnstrom st. Ⅵ-Ⅵ-Ⅵ,感覚障害(-),HDS-R 18点であった.右半側無視(絵画模写/線分抹消/食事の食べ残しで確認),着衣失行,注意障害,病態無関知,観念失行,構成失行を認めた.右半側無視は発症4か月後も残存した.〔考察〕本例は左言語野に相当する部位の損傷があるが失語はなく,右半側無視が長期残存した.したがって,局在化の著しい左右脳機能逆転化が示唆された.本例に対しては右利き優位の生活環境を考慮したリハビリテーションなどが必要と思われた.
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