学会報告
第43回神奈川リハビリテーション研究会―1997年11月1日(土),於:北里大学医療衛生学部3階33番教室
前田 真治
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1北里大学東病院リハビリテーション部
pp.295-296
発行日 1998年3月10日
Published Date 1998/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108627
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1.慢性関節リウマチに対する室内用足部装具の製作例
木村義肢工作研究所 前田宜彦・東城嘉夫
横浜船員保険病院理学診療室 上甲哲士・松波 優一・山坂奈奈子・河辺信秀・村山由希子
横浜市立大学医学部附属病院 根本明宜
慢性関節リウマチ(以下,RAと略)における足部障害に対する装具療法は,靴型装具から足底板など多種にわたる.今回,われわれは足部障害のなかでも舟状骨の落ち込みによる重度な外反扁平を呈した症例に対する室内用足部装具の製作を数例経験し,良好な結果を得られたので報告する.重度な外反扁平を伴うRA患者は,問題点として,荷重時の足底部痛,足部不安定感を自覚症状として訴ることが多い.これらの問題点を踏まえて,室内用足部装具を製作した.今回製作した装具の特徴はアーチサポートとなるインナーと足関節を支持する足部覆いが分離している点である.また,インナーの形状は,二層構造とした.装具装着でRA患者の自覚症状である疼痛,足部不安感は改善できた.その要因として,仮合わせを事前にインナーのみで行うことによってインナーの適合が良好であったからと考えられる.さらに客観的データとして,荷重面積の増大や歩行能力の向上がみられた.
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