学会報告
第52回神奈川リハビリテーション研究会―2002年3月30日(土),於:七沢リハビリテーション病院脳血管センター
高橋 正
1
,
大野 英彦
1
,
秋田 督子
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
pp.580-582
発行日 2002年6月10日
Published Date 2002/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109796
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1.脳卒中患者の性格傾向の左右差
北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
梅田裕貴・前田真治・浜野藍子・横関真里・廣瀬洋子
脳卒中後の性格変化は,家族などから訴えはあるものの,正確な評価は困難であることが多い,そこで,大脳損傷に基づく右片麻痺48名,左片麻痺39名に対し,POMS(Profile of Mood States)で評価し,因子分析を用いて分析した.その結果,右片麻痺は左片麻痺に比べうつ傾向と興奮性は低いが,自己に対し注意が向けられやすい傾向があること,また左片麻痺では逆に,うつ傾向と興奮性は高いが自己中心的でなく,他への注意が高い傾向が考えられた.したがって,訓練を行う際に左右脳損傷の性格傾向に合わせ,右片麻痺では自分から他への注意転換と,左片麻痺ではうつ傾向や易興奮性を加味したうえで,自己に思考を向けるような心理的アプローチを並行することでよりよい改善につながると思われた.
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