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はじめに
島根県立中央病院(以下,当院)は1998年10月下旬の3日間にわたり日本医療機能評価機構の訪問を受け,病院機能評価を受けた.その経験も踏まえ概説したい.
今回のテーマである病院診療機能については,表1に示すように小項目でみれば,評価項目数の40%近くを占める根幹領域である.
病院機能評価におけるリハビリテーション部門の“部門”の定義と範囲は,サービス部門としてではなく診療部門として,医師体制も含めたリハビリテーション診療機能が評価項目にきちんと位置づけられているのは喜ばしい.
その意味では,リハビリテーション診療科はもちろんのことリハビリテーション専従医すら持たない,大学病院等の“高度機能病院”と称される病院のかなり多くが,今回の機能評価では合格は難しいのではないかと懸念する.それどころか,医局講座制の枠に縛られていてはクリアできない,医局の枠を超えた組織的な連携診療が求められている.このためか,2000年7月6日現在の病院機能評価の認定証発行病院一覧1)をみても,大学病院はわずか7病院しか含まれない.
実際,近年まで,大学病院のかなり多くがリハビリテーション専従医を持たない現状があった.また,理学療法部という名称をリハビリテーション部と変更しても,内実は理学療法士(PT)がいても,作業療法士(OT),言語聴覚士(ST)は在籍しておらず,中枢神経傷病など多くの領域の傷病のリハビリテーション治療に支障をきたすといった状況が,なお少なからず存在している.このあたりの点が,病院機能評価を受ける過程を通して,改善されることが期待されている.
今や,病院評価機構におけるリハビリテーション診療部門は,救急診療部門,緩和ケア部門と同格のところまで押し上げられた.さらに申請料を出し受審すれば,リハビリテーション診療領域の上位ランクの“マル適”を認定できるシステムが2003年10月から開始されるという.
本連載の後半では,これらリハビリテーションのシステム,診療体制上の問題点を挙げ,機能評価を受ける経過での改善点なども述べられるであろう.
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