Japanese
English
講座 PTSD;外傷後ストレス障害 3
PTSDの評価法と画像診断
Clinical and neuroimaging assessment in posttraumatic stress disorder.
笠井 清登
1
,
山末 英典
1
Kiyoto Kasai
1
,
Hidenori Yamasue
1
1東京大学大学院医学系研究科精神医学
1Departoment of Neuropsychiatry, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
外傷後ストレス障害(PTSD)
,
CAPS
,
IES-R
,
MRI
,
NIRS
Keyword:
外傷後ストレス障害(PTSD)
,
CAPS
,
IES-R
,
MRI
,
NIRS
pp.245-248
発行日 2004年3月10日
Published Date 2004/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100716
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はじめに
外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder;PTSD)は,強い心的外傷体験ののちに,再体験・回避/麻痺・覚醒亢進が1か月以上持続する症候群である.本稿では代表的なPTSDの診断法・臨床評価法について概説するとともに,現在活発に研究が進められている,神経画像を用いたPTSDの診断法開発の試みについて述べる.
PTSDの評価法
1.診 断
通常,DSM-Ⅳ(精神疾患の診断・統計マニュアル)1)に基づいて診断する.DSM-ⅣにおけるPTSDの診断基準は,AからFまでの6項目からなる.
すなわち,A:外傷体験(死や重傷に至るような出来事を体験・目撃・直面する),B:出来事の再体験の持続(5種類の形がある),C:外傷体験以前には存在しなかった,外傷と関係する刺激の回避と反応性の麻痺(7症状のうち3症状以上を満たすことが必要),D:外傷体験以前には存在しなかった,持続的過覚醒症状(5症状のうち2症状),E:持続期間(B,C,Dの症状が1か月以上持続),F:臨床上著しい苦痛,または社会的,職業的など重要な領域における機能障害,のすべてを満たす必要がある.
B,C,Dのうち,いずれかを満たさないものを部分的PTSD(partial PTSD)と称することもある.
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