特集 小児の鎮静
1.小児の鎮静と医療安全
久我 修二
1
1 大分こども病院小児科
キーワード:
小児の鎮静
,
医療安全
,
有害事象
,
病院機能評価
Keyword:
小児の鎮静
,
医療安全
,
有害事象
,
病院機能評価
pp.883-889
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001834
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To err is human:人は誰でも間違える.小児の鎮静も例外ではない.海外ではJoint Commissionによる施設認証やprivilege(鎮静を行う権限)の導入など,小児の鎮静の質を担保する仕組みが整備されている.さらに大規模な小児鎮静のデータベースをもとにエビデンスを蓄積して,定期的なガイドラインの改訂に反映させている.一方,わが国では医師の裁量で,誰でもどこでも小児の鎮静を行うことができる.いわゆる無法地帯である.さらに有害事象の実態は闇のなかである.実際,小児の鎮静における重篤な合併症の発生頻度はまれ(約3万例に1件)である.果たしてわが国の小児の鎮静環境はこのままでよいのだろうか? 本稿では,小児の鎮静と医療安全に関して,海外の先駆的な取り組みを概観し,わが国における取り組みを中心に解説する.
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