Japanese
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講座 運動学習とリハビリテーション 5
基底核疾患における随意運動と運動学習―パーキンソン病を中心に
Voluntary movement and motor learning in basal ganglia disorders, especially in Parkinson's disease.
丸山 哲弘
1
Tetsuhiro Maruyama
1
1飯田市立病院内科
1Department of Medicine, Iida Municipal Hospital
キーワード:
パーキンソン病
,
随意運動障害
,
運動学習障害
Keyword:
パーキンソン病
,
随意運動障害
,
運動学習障害
pp.1061-1069
発行日 2004年11月10日
Published Date 2004/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100665
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はじめに
本講座のテーマは運動学習とリハビリテーションであり,筆者に与えられたテーマは基底核変性疾患における運動障害である.基底核変性疾患は非常に幅広く存在するが,運動学習と関わりが深く,近年リハビリテーションの対象として注目されているパーキンソン病の運動障害を取り上げてみたい.
パーキンソン病はわが国では基底核変性疾患のなかでもっとも頻度が高い.本疾患は中枢性の随意運動障害を呈する疾患であり,ミオパチーや末梢神経障害とは異なり,単純動作一つ取り上げてもその障害には中枢神経系障害が複雑に絡んでいる.さらに系列動作や同時動作など運動が複雑になればなるほど障害の程度は顕著になる.また,運動学習には手続き的記憶などの神経心理学的問題が深く関わり,パーキンソン病における運動障害は基底核の認知機能への関わりを考えるうえで興味深い.
筆者の専門である神経心理学の立場から,パーキンソン病の随意運動障害および運動学習障害を中心に取り上げて論じたい.
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