Japanese
English
特集 不随意運動
変性疾患の不随意運動
Involuntary Movement in Degenerated Diseases.
渡部 一郎
1
,
真野 行生
1
Ichiro Watanabe
1
,
Yukio Mano
1
1北海道大学医学部リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation and Physical Medicine, School of Medicine, Hokkaido University
キーワード:
不随意運動
,
パーキンソン病
,
リハビリテーション
Keyword:
不随意運動
,
パーキンソン病
,
リハビリテーション
pp.229-233
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108327
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はじめに
神経変性疾患の不随意運動は,多岐にわたる.振戦は臨床上,最も遭遇する不随意運動であり,姿勢時振戦を来す本態性振戦,黒質に病変を有するパーキンソン病などの安静時振戦と,小脳失調で認められる動作時振戦がある.舞踏運動を起こす神経変性疾患はハンチントン病が代表的であるが,歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症でも認められる.また,パーキンソン病患者などにおいて治療薬のエルドパの投与過剰や向精神病薬が舞踏運動を起こすことがある.
ジストニア,アテトーシス,バリスムは,アテトーシスとジストニアの共存や,舞踏病とアテトーゼ間にヒヨレアアテトーゼという混在現象もみられ,線状体,淡蒼球などの大脳基底核,ルイ体,視床,中脳黒質・赤核,小脳歯状核の単独,またはそれらの組み合わせが関連して発症する.代表的疾患は,歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症やジョセフ(Machado-Joseph)病,変形性筋ジストニア,瀬川病などがあげられる1,2).
ここでは,代表的疾患として,パーキンソン病,ハンチントン舞踏病,脊髄小脳変性症をあげ,不随意運動を来すものの病因,臨床像,治療について述べる.
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