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身体障害者授産施設の役割
兵庫県立総合リハビリテーションセンターは,治療,機能回復訓練,日常生活動作訓練等の高度で専門的な医学的リハビリテーション,集団生活指導,スポーツ,自動車運転訓練,また,医療ケースワーク等を通じて,社会に適応できるようにするための心理・社会的リハビリテーション,職業能力評価・開発,職業訓練,授産等の職業的リハビリテーション等,社会復帰に必要な一貫した総合的なサービスを行っている.身体障害者授産施設あけぼのの家は,そのうちの職業的リハビリテーション部門を担っており,センターの病院や身体障害者更生施設等と連携しながら社会復帰に向けた支援を行っている.
身体障害者授産施設は,身体障害者福祉法第31条により,「身体障害者で雇用させることの困難なもの又は生活に困窮するもの等を入所させて,必要な訓練を行い,かつ,職業を与え,自活させる施設とする.」と規定されている.職業リハビリテーションの定義は,ILOの第159号条約(1983)において,「すべての障害をもつ人々が適当な雇用に就き,それを継続し,かつ,それにおいて向上することができるようにすること,並びにそれにより,障害をもつ人々の社会への統合又は再統合を促進すること」とされている.
職業リハビリテーションの活動は,単に就職させることだけに焦点を当てるのではなく,その後の職業適応による継続的な雇用の維持に及ぶよう言及している.しかし,実際に展開されている職業リハビリテーションの活動は,この定義を拡大理解し,法の規定に沿って,「働く」ことを通して社会的に自立することに向けた総合的な支援である.
つまり,身体障害者授産施設における職業リハビリテーションサービスは,職業生活を維持するためのさまざまな社会生活が自ら遂行できるよう,就労支援および生活支援を不可分の関係として一体的に支援していくことである.
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