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特集 福祉施設とリハビリテーション
身体障害者療護施設におけるリハビリテーション
Rehabilitation service in facilities for the physically handicapped.
樫本 修
1
,
小川 泰治
2
,
川越 聡一郎
1
Osamu Kashimoto
1
,
Asuharu Ogawa
2
,
Soichiro Kawagoe
1
1宮城県障害者厚生相談所
2社会福祉法人宮城県身体障害者福祉協会身体障害者療護施設「杏友園」
1Miyagi Prefectural Rehabilitation Counseling Center for Physically Disabled and Intellectually Disabled
2Facilities for the Physically Handicapped
キーワード:
身体障害者療護施設
,
支援費制度
,
地域リハビリテーション
Keyword:
身体障害者療護施設
,
支援費制度
,
地域リハビリテーション
pp.1043-1048
発行日 2004年11月10日
Published Date 2004/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100662
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はじめに
身体障害者更生施設,授産施設,療護施設等の身体障害者更生援護施設は,身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進する目的で設置された施設である.利用にあたっては,支援費制度により利用者との契約が交わされ,個別の支援計画に基づいてサービスが提供される.提供されるサービスはそれぞれ,リハビリテーション,就労支援,生活支援などに主眼を置き,次のステップへの通過施設として位置付けられているのが本来の役割である.
リハビリテーションの提供に主眼を置き,「通過施設」の色が濃い身体障害者更生施設に対し,「生活施設」としてQOL(quality of life)の向上,養護性に主眼を置いた身体障害者療護施設(以下,療護施設)は,重度障害者が安心して生活ができる場としての役割が大きい反面,地域生活へ移行する者が少なく,全国的に多くの待機者を抱えているのが問題となっている.
本稿では,リハビリテーションの視点から全国的な療護施設の現況に触れ,宮城県内の療護施設で唯一理学療法士を常勤専任でかかえている杏友園で行われているリハビリテーションを紹介し,支援費制度開始後のサービス内容の変化,現状と課題を分析し,今後の展望,リハビリテーション体系のなかにおける療護施設に求められる役割を考察する.
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