Japanese
English
特集 授産施設と福祉工場
身体障害者授産施設と福祉工場の当面する問題と将来の方向
Sheltered Workshops, Present Situation and Direction for the Future.
小川 孟
1
Hajime Ogawa
1
1東京都板橋福祉工場
1Itabashi Factory for the Physically Disabled.
キーワード:
職業リハビリテーション
,
就労
,
生活保障
,
生きがい
Keyword:
職業リハビリテーション
,
就労
,
生活保障
,
生きがい
pp.953-959
発行日 1976年12月10日
Published Date 1976/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103673
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
“労働以外の人間的価値をないがしろにし,労働のみを重視する単純な考え方は,人間生活の数多くの局面を無視することになる”,これは国際障害者リハビリテーション協会が1972年に出した「社会的リハビリテーションの将来のための指針」の一節であるが,身体障害者の働く施設とされているわが国の身体障害者授産施設における障害程度の重度化の実態と,それに対するサービスのあり方を考える上で,まさに重要な指針の一つとなるものであると思う.しかし,また一方において,いかに障害が重くても,何らかの仕事に従事したい,働ける職場が欲しいという強い要望が障害者の間にあることも事実であり,国民の働く権利は,それが障害者であっても同等に行使できる条件の設定が要請されているのである.
このような幅広い多様な問題が集約され,出口を見出せないままに蓄積されたものが,本稿のテーマである身体障害者授産施設,重度身体障害者授産施設および身体障害者福祉工場が抱えている問題でもあるわけで,外的には長期化する不況,中小企業の倒産,微増が続く完全失業,福祉の見直し,等々のきびしい環境の影響を直接受けながら,からだの障害が特に職業的なハンディキャップになっている人々のこれからの問題を考えようとするものである.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.