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はじめに
身体障害者更生施設(身体障害者福祉法第5条に規定された身体障害者更生援護施設の一種,以下,更生施設とする)におけるリハビリテーションは,これまでの措置制度のなかでは努力目標であった.2003年4月より運用が開始された支援費制度では,施設でリハビリテーションを行うことが明確に示されている.また,支援費制度では施設を利用者が選べるようになり,リハビリテーション機能の有無は施設を選ぶうえでの有力な判断材料の一つとなっている.新しい制度のなかで,これからの更生施設のリハビリテーション機能がどうあるべきか,あけぼの医療福祉センター(以下,センターとする)での利用者,職員へのアンケートの分析結果も考慮して,考察したことを述べる.
支援費制度について―更生施設のリハビリテーションを中心に
身体障害者更生施設等の設備及び運用に関する基準1),第2章 身体障害者更生施設,第2節 人員に関する基準(表1)の第4条の(2)イ,ロでは,入所者数に合わせて,看護師,理学療法士(以下,PT),作業療法士(以下,OT),心理判定員(以下,心理),職能判定員,あん摩マッサージ指圧師,職業指導員及び生活支援員の総数が常勤換算方法で8以上と規定されている.さらに第4条の(2)のハでは,PTは常勤換算方法で1以上,ニでは,OTは常勤換算方法で1以上となっている.この法律では,イ,ロの条文が優先されるものと思われ,ハ,ニの条文に合わせてPTやOTを雇用するかは現状では施設の判断に任されているように思われる.
医師数については第4条の(1)に指導を行うために必要な数となっているのみで,何をすべきかが明確に示されておらず,必ず置くべき義務はない.しかし,効果的なリハビリテーションを行うためには,整形外科医かリハビリテーション医の診察とリハビリテーション専門職による訓練が不可欠である.医師については常勤医師加算2)が認められている一方で,リハビリテーションの実施に対する加算は認められていない.
厚生労働省の説明では基本イメージという前提のもと,施設訓練等サービスに係る費用Ⅰに指導(支援)員,介護職員,看護師,PT,OT等の人件費等と書かれているが,どの職種の仕事にどれだけ支払われるのか具体的な数値は示されておらず,人件費以外のリハビリテーション加算も示されていない.
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