Japanese
English
特集 障害者自立支援法をめぐって
障害者自立支援法による改革
Recent reform of health and welfare for persons with disabilities.
松嶋 賢
1
Masaru Matsushima
1
1厚生労働省障害保健福祉部企画課
1Policy Planning Division, Department of Health and Welfare for Persons with Disabilities, Ministry of Health, Labour and Welfare
キーワード:
障害者自立支援法
,
支援費制度
,
自立と共生
Keyword:
障害者自立支援法
,
支援費制度
,
自立と共生
pp.719-729
発行日 2006年8月10日
Published Date 2006/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100349
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
急増する障害福祉サービスの利用者(新たに生じた地域格差や財政上の課題)
1.支援費制度の導入で利用者が急増
2000年に身体障害者福祉法等の改正が行われ,これによって,障害福祉サービスは,精神障害者へのサービスを除いて,行政がサービスの受け手を特定し,サービスの内容を決定する「措置制度」から,障害者の自己決定を尊重し,障害者自らがサービスを選択し,事業者との対等な契約関係に基づいて,契約によりサービスを利用する「支援費制度」に移行した(2003年4月から導入).
措置制度では,障害者を保護の対象としてとらえ,低所得で家族による支援を十分に受けられない状態を前提にしていた.これに対し,支援費制度では,「自己決定」,「自己選択」の理念の下で,障害者の主体性を基本に,利用者と事業者が直接向かい合う関係(直接契約)に基づく,利用者本位の考え方が明確にされた.
支援費制度の導入は,障害福祉サービスの利用に大きな変化をもたらした.制度がスタートした2003年4月から2004年10月までの1年半に,ホームヘルプサービス(居宅介護等事業)の支給決定者数は,約10万人から約16万人と約1.6倍に急増した.障害者に制度がよく知られるようになり,知的障害者や障害児を中心に利用が増えたことが,その大きな要因と考えられる(知的障害者で1.77倍,障害児で2.41倍).
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.