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紹介
三次元立方体による新しい心身障害児概念図―幼児版行動障害調査表の試作も含めて
The new classification of children with motor and mentally disabilities by three dimensions: trial assessment of behavior disorder for childhood.
北村 由紀子
1
Yukiko Kitamura
1
1横浜市西部地域療育センター
1West Yokohama Rehabilitation Center for Children
キーワード:
発達障害
,
重症心身障害
,
高機能広汎性発達障害
,
大島分類
,
幼児版行動障害調査表
Keyword:
発達障害
,
重症心身障害
,
高機能広汎性発達障害
,
大島分類
,
幼児版行動障害調査表
pp.787-791
発行日 2004年8月10日
Published Date 2004/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100635
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はじめに
発達障害児の障害像表現について,肢体不自由系では大島分類が用いられている.精神発達障害系では,知能水準での区分が用いられていたが,行動障害も加味することが処遇上重要となっており,強度行動障害特別処遇事業における評価法が示された.
肢体不自由児通園施設と知的障害児通園施設を併設する療育センター(心身障害児総合通園センター)では,どちらの障害群も均等に診ていかなければならない状況にある.そこでわれわれは,障害別に2系列でみるのでなく,これらを連続体として表現する方法を考案した.すなわち,運動,知能・認知,行動の3軸で立方体を構成することにより,理論的には従来の知的障害を伴わない肢体不自由児や重症心身障害児(重症児)から知的障害のないいわゆる高機能広汎性発達障害児まで表示可能となった.
この方法を用い,実際に筆者が勤務する横浜市西部地域療育センター(以後,当センター)利用児を3軸で評価して考案した立方体へのはめ込みを試みた.併せて,立方体で表現した障害像が処遇検討(処遇プラン策定)の際に役立つかどうかについても考察した.
ちなみに,当センターは2001年4月に開設した横浜市の西部地域(乳幼児人口32,000人)を担当する療育センターで,今回の対象児は次のような特徴をもっている.①療育センター開設初年度の利用児である.②療育センターで外来,通園,地域サービスによる療育サービスのそれぞれの活動が十分浸透していない時期における利用児である.つまり,保護者が所属集団や施設を選択するとき,障害告知,説明,就園相談などが一部不十分なままであったと考えられることである.
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