Japanese
English
研究と報告
ADLに即した半側空間無視の新しい評価法―車椅子移動テストの検討
A discussion of a new evaluation test of unilateral spatial neglect, the wheelchair propelling test simulating ADL situation.
米田 千賀子
1,2
,
園田 茂
2
,
鈴木 美保
2
,
花村 美穂
2
,
才藤 栄一
1
Chikako Yoneda
1,2
,
Shigeru Soneda
2
,
Miho Suzuki
2
,
MIho Hanamura
2
,
Eiichi Saitoh
1
1藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座
2藤田保健衛生大学七栗サナトリウム・リハビリテーションセンター
1Department of Rehabilitation Medicine, School of Medicine, Fujita Health University
2Rehabilitation Center, Nanakuri Sanatorium, Fujita Health University
キーワード:
半側空間無視
,
ADL
,
車椅子移動
Keyword:
半側空間無視
,
ADL
,
車椅子移動
pp.467-471
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100582
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はじめに
半側空間無視(unilateral spatial neglect;USN)は,右大脳半球損傷患者の急性期から慢性期にかけて13.8~48.9%の頻度1)で認められ,左大脳半球損傷患者では一般的に右の患者に比べると頻度は少なく,症状も改善しやすいと言われている.臨床上,重度のUSNの存在はリハビリテーションの阻害因子となり,activities of daily living(ADL)の予後を不良とする2-6)ため,USNの評価が重要となる.ところが,机上テストではUSNが軽度またはUSNを認めない例でも,車椅子駆動時に絶えず左側の壁に接触してしまうなど,机上テストとADLにおけるUSNの重症度が一致しないことはしばしば経験される.したがって,机上テストのみではADLにおけるUSNの影響を適切に予測することは困難であると思われ,ADLに直結する方法でUSNの重症度を評価することを目的に,車椅子移動に着目した新しい評価方法を作成するための予備的検討を行った.
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