Japanese
English
特集 脊髄損傷のリハビリテーションup-to-date
脊髄損傷—急性期治療と疫学
Spinal cord injury-acute medical care and epidemiology
時岡 孝光
1
Takamitsu Tokioka
1
1高知医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kochi Health Sciences Center
キーワード:
脊髄損傷
,
急性期治療
,
疫学
,
高齢者
,
非骨傷性頸髄損傷
Keyword:
脊髄損傷
,
急性期治療
,
疫学
,
高齢者
,
非骨傷性頸髄損傷
pp.415-420
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201629
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はじめに
脊髄損傷は紀元前2500年古代エジプト時代のパピルスに“治せないけがで死に至る”と記載され,この状態は20世紀前半まで続いた.第二次世界大戦後,導尿法の確率,抗生物質の開発により敗血症が治療できるようになり,脊髄損傷の生存率は飛躍的に伸びた.最近では,ドクターヘリが活用され救急現場から救命治療が開始され,脊椎を保護した搬送が可能となった.金属性の内固定器具が改良され,低侵襲脊椎固定術が行われ,超早期からリハビリテーションが開始されるようになった.また,脊髄再生の研究が進んでいるが,現時点では麻痺に対する直接的な治療はまだ確立されていないため,リハビリテーションが治療の主体となる.脊髄損傷のリハビリテーションとは合併症を予防し,恒久的な麻痺による機能回復を補い,生活を可能にするものである.現在,救命救急センターで行われている急性期治療と最近の疫学調査の傾向について紹介する.
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