Japanese
English
特集 介護予防をめぐって
認知症予防
The prevention of dementia.
矢冨 直美
1
Naomi Yatomi
1
1東京都老人総合研究所自立促進と介護予防研究チーム
1Research Team for Promoting Independence of the Elderly, Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology
キーワード:
認知症
,
アルツハイマー病
,
軽度認知障害
Keyword:
認知症
,
アルツハイマー病
,
軽度認知障害
pp.1047-1053
発行日 2006年11月10日
Published Date 2006/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100409
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はじめに
認知症は,介護状態に陥る3大原因疾患の一角を占めている.したがって,認知症が予防できるのであれば,介護状態の予防に大きな効果をもたらすことになる.近年,認知症の大きな部分を占めるAlzheimer disease(AD)の危険因子が明らかになるにつれて認知症予防の可能性が次第に認識されるようになってきた.しかし,認知症は果たして予防できるのか,認知症予防の可能性についての疑念はまだまだ根強い.認知症予防の取り組みは,試行錯誤的な試みの段階であり,学術的に根拠のある方法にもとづいた予防の実践はまだまだ少ない.その背景として,認知症予防については,予防の根拠が明確になっていないこと,対象がはっきりしないこと,どんなことをすればよいか,その方法が明確でないこと,また,認知症予防の知識や技術をもった人材が不十分なこと,そして,効果評価の方法が確立されていないことなどの理由を挙げることができる.
ここでは,まず,介護予防の立場から認知症予防の根拠となるこれまでの研究を概観する.また,認知症予防に関連した認知的介入を行った研究をレビューする.さらに,これまでわれわれが行ってきた介入研究の試みと,それらの成果をもとに認知症予防の課題とあるべき方法について述べる.
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