Japanese
English
第1土曜特集 疾病予防・健康寿命延伸に資する栄養・食生活とは?
疾患発症予防に関わる栄養・食生活
認知症を防ぐ食生活とは
Dietary habits and cognitive health.
野崎 昭子
1,2
,
三村 將
1
Shoko NOZAKI
1,2
,
Masaru MIMURA
1
1慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
2独立行政法人国立病院機構下総精神医療センター
キーワード:
認知症
,
軽度認知障害
,
食生活
,
危険因子
,
保護因子
,
疫学研究
Keyword:
認知症
,
軽度認知障害
,
食生活
,
危険因子
,
保護因子
,
疫学研究
pp.39-44
発行日 2023年1月7日
Published Date 2023/1/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2840139
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高齢化の進む現在,認知症予防は大きな課題であり,食事と認知症の関連についても関心が高まっている.しかし,認知症を明確に予防する特定の食物は現在のところ存在しない.認知症を予防する上では関連が明確な肥満,糖尿病,および血管性認知症と関連する他の生活習慣病(高血圧,高脂血症)を予防,治療することが食事内容より重要である.その上で認知機能に保護的に働く可能性がある食物として,魚および多価不飽和脂肪酸(PUFA),大豆などの植物エストロゲン,野菜や果物,オリーブ油,クルミを主とするナッツ類,ベリー類,ニンニク,コーヒー,茶,ココア,クルクミン(ターメリック)などがあげられる.少量のアルコール摂取の有用性については,いまだ明確なコンセンサスはない.また食事パターンについても研究されており,オリーブ油や魚介,赤ワインなどを多く摂取する地中海食(MedDiet),全粒穀物や野菜,ナッツ類を多く摂取するDASH(dietary approaches to stop hypertension)食,地中海食とDASH食を組み合わせたMIND(MedDiet-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay)食といった食事パターンについて効果が報告されている.
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