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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
予防・疫学
アルツハイマー病・認知症の予防を目指した多因子介入
Multidomain intervention for preventing dementia
杉本 大貴
1
,
櫻井 孝
1
,
荒井 秀典
1
Taiki SUGIMOTO
1
,
Takashi SAKURAI
1
,
Hidenori ARAI
1
1国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
キーワード:
軽度認知障害
,
認知症
,
予防
,
多因子介入
Keyword:
軽度認知障害
,
認知症
,
予防
,
多因子介入
pp.1009-1014
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu287131009
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FINGER研究をはじめとして,認知症の改善可能な複数の因子に同時に介入する多因子介入研究に期待が集まっている.わが国では2019年度より “認知症予防を目指した多因子介入によるランダム化比較試験(J-MINT研究)” が開始された.J-MINT研究は,日本ではじめて多因子介入プログラムの認知機能低下の抑制効果を検証し,主要解析では統計学的に有意な結果は得られなかったが,アポリポタンパクE遺伝子のE4多型の保因者における認知機能低下抑制効果を示した.さらに,継続して多因子介入プログラムに参加することで認知機能が改善すること,そしてフレイル予防にも効果があることを示した.J-MINT研究により得られた成果は,わが国の認知症発症を減少させる第一歩となるばかりではなく,World Wide-FINGERS(WW-FINGERS)ネットワークを通して世界の認知症の抑制に寄与することが期待される.
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