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内容のポイント Q&A
Q1 認知症の疫学は?
わが国の高齢化は著しく,2024年10月の時点で高齢化率は約29.1%で,総人口の約3人に1人が65歳以上である.団塊ジュニア世代が65歳以上になる2040年には認知症は584万2,000人,軽度認知障害は612万8,000人になると推計されている.
Q2 認知症の診断はどのようにするか?
認知症は症候学的特徴と進行の状況から診断を絞り込むことができる.症候学的診断で初めに行うことは,認知・行動面で以前に比べてどのように変化したのかを明らかにすることである.また,特徴的な神経症候をとらえるために,神経学的診察も必要である.そのうえで考えられる症候を念頭に置きながら,認知機能の診察,スクリーニング検査,さらなる詳細な認知機能検査を実施する.
Q3 認知機能の評価法は?
アルツハイマー型認知症の認知機能検査の目的には,①認知症に相当する認知機能障害の検出,②認知機能障害のパターンの評価,③認知症の進行度の把握がある.認知症に相当する認知機能障害の検出(スクリーニング)には,わが国でHDS-RとMMSEが広く用いられている.認知機能障害のパターンの評価には,どの領域の認知機能にどの程度の障害があるのか,種々の神経心理検査の組み合わせにより評価する.アルツハイマー型認知症の進行度の把握には,ADAS-J cogが最も用いられている.
Q4 軽度認知障害(MCI)とは何か?
認知症とMCIは,手段的ADLの自立の可否によって区別される.すなわち,手段的ADLに明らかな障害があれば認知症を発症していることが示唆されるが,MCIでは手段的ADLに時間がかかってミスが増えることがあっても,工夫次第で自立できるレベルにある.

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