講座 精神障害者福祉へのアプローチ・8
地域共同作業所
西澤 利朗
1
Toshirou NISHIZAWA
1
1川崎市精神衛生相談センター
pp.693-699
発行日 1985年10月15日
Published Date 1985/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207131
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■はじめに
本稿では,昨今,地域精神医療の分野で,全国に燎原の火のごとく広がりつつある在宅精神障害者を対象にした「地域共同作業所」(小規模作業所・共同作業所ともいわれる)について述べる.その場合,「地域共同作業所」が,地域精神医療活動の中で確固たる地位を獲得するにはいましばらくの時間を要すこともあり,また作業所づくりをめぐっての試みの多くが,慢性分裂病者の在宅ケアーの一環として,社会復帰活動をめざして設立されておりながら,作業訓練・日常生活訓練・就労前訓練と,訓練に主眼をおき,あくまで通過施設と位置づけるもの,あるいはまた,地域の「たまり場」ないしグループ・ホーム的な位置や役割をもたせているものというように幅広く,それぞれの地域特性,とりわけ既存の社会資源の影響や関連が深いという実情から,ここではとりあえず在宅精神障害者のおかれている現状と「地域共同作業所」の概要について述べ,加えて作業所づくりの実際として,一つの試みを提起したいと思う.
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