Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「モーターサイクル・ダイアリーズ」―ハンセン病患者が革命家ゲバラを創った
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.785
発行日 2005年8月10日
Published Date 2005/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100164
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私が大学に入学した1970年といえば,この春の中国の反日デモなど可愛く見えるくらい列島中にデモの嵐が吹き荒れていた.さらにそのときの記憶を手繰り寄せるなら大学構内のあちこちにゲバラのポスターが張られていた.そろそろ学生運動諸党派の間で内ゲバが始まろうとしていたが,ゲバラだけは不思議なことにどの党派からも支持されていた.当時の先鋭な若者たちからみればゲバラこそ憧れの人であり,生き方のモデルであった.そして,そのように感じていた自分たちはやはり正しかったのだと改めて確認できるのが,「モーターサイクル・ダイアリーズ」(監督/ウォルター・サレス).ったく,いまどきの五十代をくすぐるぜ.
本作で描かれているのは,革命家ゲバラ誕生秘話といったもので,あのゲバラでさえ青年期はごく普通に自分探しをやっていたということがわかる.
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