Japanese
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特集 各種疾患における最近の帰結研究
リハビリテーション医学における帰結の研究
Study of outcome in rehabilitation medicine.
千田 富義
1
Tomiyoshi Chida
1
1秋田県立リハビリテーション・精神医療センター
1Akita Prefectural Rehabilitation and Psychiatric Center
キーワード:
予知因子
,
帰結
,
プログラム評価
,
帰結変数
Keyword:
予知因子
,
帰結
,
プログラム評価
,
帰結変数
pp.397-401
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100572
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はじめに
リハビリテーション医学の領域でも帰結の研究が強調されている.増大する医療費の財政圧迫を背景に,医療の費用対効果,治療効果の説明責任などを求める社会的要求が一つの契機である1,2).また,経験的治療が主であったリハビリテーション医学に根拠に基づいた治療を行おうとするevidence-based medicine(EBM)が広まりつつあり,系統的レビューやランダム化比較試験が増加したことも影響している3).このような流れのなかで,測定尺度の精度が向上してきたことが帰結の研究を展開するための基礎となっている.
リハビリテーション医学が他臨床医学と異なる重要な点は,能力低下の概念を重視することである.能力低下は個人レベルでの課題遂行能力,機能的行動の制約を示すもので,日常生活活動の障害などはその代表例である4).臨床―病理の関連を検討の主対象とする病理指向的アプローチに対して,このアプローチは機能指向的アプローチと呼ばれる5).
このような特徴をもつリハビリテーション医学での帰結に関する研究は,他臨床医学とは異なった特殊性を持つ.治療対象,介入過程,目標などの性質により,帰結の指標,研究方法などの選択は相違する.リハビリテーション医学における帰結の研究について,その特徴を概論する.
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