Japanese
English
症例報告
全身の動脈硬化性疾患から経年的帰結として心不全に至り,運動耐容能向上に難渋した1例
A case where it was difficult improve exercise tolerance due to heart failure as a result of systemic arteriosclerosis disease over the years
五月女 宗史
1
Takashi SOTOME
1
1社会医療法人中山会宇都宮記念病院リハビリテーション科
キーワード:
動脈硬化
,
下肢血行再建術後
,
心不全
,
運動耐容能
Keyword:
動脈硬化
,
下肢血行再建術後
,
心不全
,
運動耐容能
pp.1401-1406
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203686
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要旨 動脈硬化は全身的および経時的変化をもたらす疾患であり,全身の重要臓器と関連した合併症をもたらす.今回,冠動脈および下肢血管の閉塞を繰り返し,左下肢閉塞性動脈硬化症に血行再建術を施行した術後理学療法と,その1年3か月後に心不全にて再入院となり理学療法を行った経験を得た.下肢血行再建術後の理学療法では,下肢血行動態および下肢運動機能は改善したが,虚血を有する低心機能が露呈した.運動療法および患者教育を行い自宅退院となったが,アドヒアランスが低下していたため,経年的帰結として心不全となり再入院となった.理学療法を再開しADLは改善したが,運動耐容能の低下を認め,心血管系だけでなく骨格筋系と呼吸器系の重度機能低下が考えられた.重度の動脈硬化に起因する心血管疾患患者の場合,全身の臓器で経時的に病態が進行することを踏まえ,患者の状況を考慮した包括的な理学療法が重要であると考えた.
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