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特集 運動耐容能を考える
3 心不全の運動耐容能—末梢と中枢
Mechanism of Exercise Intolerance in Heart Failure Patients
白石 裕一
1,2
,
的場 聖明
2
,
三上 靖夫
2
Hirokazu Shiraishi
1,2
,
Satoaki Matoba
2
,
Yasuo Mikami
2
1京都府立医科大学循環器腎臓内科
2京都府立医科大学リハビリテーション部
キーワード:
心不全
,
運動耐容能
,
心肺運動負荷試験
,
HFrEF
,
HFpEF
,
サルコぺニア
Keyword:
心不全
,
運動耐容能
,
心肺運動負荷試験
,
HFrEF
,
HFpEF
,
サルコぺニア
pp.18-26
発行日 2022年1月18日
Published Date 2022/1/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 心不全患者の運動耐容能を決定する要因として,肺,心臓,骨格筋,貧血などの要因が考えられ,いわゆる中枢の因子と末梢の因子の関与に分けて検討することができる.中枢側の問題として,心拍出が運動負荷中に増加するか,すなわち一回拍出量の増加と心拍数の増加が得られるかという問題があり,末梢の血管側の問題として活動筋(例えば自転車エルゴメーターであれば主として大腿四頭筋)の血管を拡張させ,必要な酸素を活動筋に届けられるかという問題,すなわち血管拡張反応が影響する.また,末梢側の骨格筋の問題として,骨格筋の量,ミトコンドリアの量も重要な因子である.慢性心不全の経過の中で,炎症や栄養の問題も関与して骨格筋は減少しやすい他,心不全患者の高齢化に伴い,そもそも一次性のサルコペニア(骨格筋減少症)を有した患者が心不全を発症してくるという要因もあるためである.本論文では,以上の問題点を左室駆出率の保たれた心不全と低下した心不全に分けながら解説していく.
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