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編集後記
横田 一彦
pp.1254
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202839
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少子高齢化が叫ばれて久しいですが,人口動態統計によれば昨年の出生数は81万1604人とのことです.今年理学療法士となった多くの方が生まれたであろう2000年の出生数は119万547人で昨年より約38万人も多く,理学療法士及び作業療法士法が成立した1965年の出生数は182万3697人と,昨年の2.2倍強でした.こうしてあらためて数字を見ると,少子化というものが実感されます.
さて,本号の特集は「子どもの成長・発達を支える理学療法」です.少子化だけのためばかりではありませんが,理学療法士が臨床場面で子どもの診療のあたることは小児専門施設でない限り多くはないと思います.しかし,成人と同様に理学療法の対象は拡大と深化が進んでいます.今回は乳幼児期から学童期の子どもについて,「成長と発達を支える」という観点からご専門の先生方に解説していただきました.新田論文では発達領域における理学療法の変遷や視点を示していただきました.吉田論文,小関論文では,運動と動作,こころと言葉の発達について解説していただき,又村論文では複雑な医療・福祉制度をわかりやすく解説していただきました.理学療法の実践では,ディベロップメンタルケアを基盤としたアプローチを藤本論文,呼吸ケアと発達促進の観点から横山論文,訪問理学療法と通所理学療法について齋藤論文,久保田論文で論述していただきました.また,竹田論文では学校保健,特別支援教育における理学療法士のかかわり方を具体的に示していただきました.これらを通して,子どもの理学療法の現在地をあらためて確認していただけるのではないかと思います.
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