連載 とびら
古来よりもつ生体機能に思いを馳せる
椿 淳裕
1
1新潟医療福祉大学リハビリテーション学部
pp.999
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202780
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われわれの体には運動を行いやすく,また継続しやすくするためのさまざまな仕組みが備わっていることに,知れば知るほど驚かされ,のめり込んでいきます(ここでは,断りのない限り全身的な一過性の有酸素運動を指すとご理解ください).
運動には筋の収縮が必要です.筋が収縮するにもエネルギー源であるグルコースや酸素が必要であり,これらは血液によって筋に運ばれます.運動をすると,自律神経系の作用により一回拍出量が増加し,心拍数も増えます.これらの変化により,運動に関与する筋へ血液が届けやすくなります.同時に,運動に関与しない臓器への血流を減らすことも行われています.運動による筋の収縮と弛緩は静脈血を心臓に戻しやすくしますが,静脈血が心臓に多く戻れば心臓が送り出す血液も増え,運動に関与する筋も多くの血液供給を受けることができ,好都合です.運動によって血管が広がりやすくなることは活動する筋にとって有利です.
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