Close-up 神経筋疾患update—症例に学ぶ
神経筋疾患への歩行アプローチ
古関 一則
1
Kazunori KOSEKI
1
1茨城県立医療大学付属病院リハビリテーション部理学療法科
キーワード:
筋ジストロフィー
,
シャルコー・マリー・トゥース病
,
歩行
,
ロボット
,
装着型サイボーグ
Keyword:
筋ジストロフィー
,
シャルコー・マリー・トゥース病
,
歩行
,
ロボット
,
装着型サイボーグ
pp.1075-1079
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202793
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神経筋疾患に対する運動療法,歩行練習の意義
神経筋疾患は脳・脊髄,末梢神経・下位運動ニューロンの障害などの神経由来の疾患,神経筋接合部や筋肉自体の病変によって運動に障害を来す疾患群の総称であり,その症状や予後は疾患により異なる.多くの疾患では症状・障害の進行が認められ,病期に応じて運動機能の維持や,健康増進のための各種運動や補装具の使用,呼吸や嚥下,コミュニケーションへの介入(代替手段の検討を含む),在宅生活を行うための環境整備などさまざまな支援が必要となる.
神経筋疾患患者では身体活動量の低下が生活の質(QOL)や健康関連のアウトカムに悪影響を及ぼすとされている1,2).そのため,不活動に伴う廃用による身体機能低下を予防し,よりよい身体状態を保つためにも,病期に応じて適切な運動療法を提供することが重要である.歩行練習は神経筋疾患患者の筋力,バランス,歩行能力の維持・改善に効果的である3〜5).その一方,内部疾患の合併の有無や過用性筋萎縮への配慮が必要な疾患もあるため,疾患の特徴や個人の運動耐容能に応じ最適な運動負荷量を決める必要がある6〜11).
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