連載 臨床実習サブノート 運動器疾患の術後評価のポイント—これだけは押さえておこう!・8
腰部脊柱管狭窄症
石田 和宏
1
Kazuhiro ISHIDA
1
1我汝会えにわ病院リハビリテーション科
pp.1334-1339
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202119
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はじめに
腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal stenosis:LSS)の疫学的調査によると,本邦の有病者数は約365万人とされ,高齢化の進行とともに今後もますます増加すると予測されています1).つまり,理学療法士が臨床で頻繁に遭遇する運動器疾患の1つと言えます.LSS治療の第一選択は薬物治療や運動療法などの保存療法です.手術治療は一般的に保存療法での改善が乏しかった場合に選択されます.手術の治療成績は,おおむね良好との報告が大半です.しかし,術後に合併症を認める例,下肢痛や腰痛の改善が乏しい例,心理社会的因子が影響している例では,術後の患者満足度が低くなる傾向もあります.
本稿では,LSSにおける術後評価のポイントを ① 術後の合併症,② 疼痛・しびれ,③ 間欠性跛行,④ 心理社会的因子の評価とし,特に注意すべき点を中心に解説します.
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