特集 IADL—生活をもっと科学的に
ADL・IADLの概念と捉え方
隆島 研吾
1
Kengo Takashima
1
1神奈川県立保健福祉大学リハビリテーション学科
キーワード:
基本的ADLの構造
,
基本的日常生活活動の構造
,
IADLの構造
,
手段的日常生活活動の構造
,
生活支援
,
国際生活機能分類
,
ICF
Keyword:
基本的ADLの構造
,
基本的日常生活活動の構造
,
IADLの構造
,
手段的日常生活活動の構造
,
生活支援
,
国際生活機能分類
,
ICF
pp.767-774
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201623
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はじめに
日常生活活動(ADL)は,以前の「生命」の視点が支配的であった医学のなかに,初めて「生活」の視点が導入されたことで,リハビリテーション医療においてはコアな概念である1,2).では,「生活」とはどのようなものであろうか.「生活」という概念は広辞苑3)によると,「生存して活動すること」,「生きながらえること」,「世の中で暮らしてゆくこと」となっており,ここにも「活動」がうたわれている.また「活動」は,「はたらき動くこと」,「いきいきと,また,積極的に行動すること」となっている.すなわち,「生活」とは「生存して,いきいきと,また積極的に行動し,世の中で暮らしてゆくこと」と言うことができよう.
リハビリテーション医療が捉える「生活」について,中俣ら4)は「狭義のADL」,「広義のADL」,「QOL」,「ICF」の4つの側面からの整理を試みているが,生活の概念がある種曖昧で,科学性を欠く範疇も大きく,経験と勘に依存する部分があることを指摘している.
しかし,リハビリテーション医療や理学療法サービスにおいて「生活」をターゲットとし,科学的に議論するからには評価可能な範囲が必要である.そこで本稿では,ADLやIADLと言われる範囲を整理し,生活支援という観点から理学療法を科学的にみていく方向性について考えてみたい.
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