特集 脳卒中患者の上肢に対する理学療法up to date
脳卒中患者の上肢に対するCI療法の効果と経過
森 沙理
1
,
小針 友義
2
,
村山 尊司
1
Sari Mori
1
1千葉県千葉リハビリテーションセンターリハビリテーション療法部
2千葉県千葉リハビリテーションセンター更生園支援部
キーワード:
CI療法
,
ニューロリハビリテーション
,
脳血管障害
,
反復的課題指向型アプローチ
,
transfer package
Keyword:
CI療法
,
ニューロリハビリテーション
,
脳血管障害
,
反復的課題指向型アプローチ
,
transfer package
pp.661-670
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201597
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はじめに
従来の脳卒中後の麻痺肢に対するリハビリテーションは,能力障害の回復において上肢は下肢に比べて不良である1)ことから,日常生活を自立させるために非麻痺肢を使用した代償的アプローチが主流であった2).しかし近年では,脳損傷後の脳の可塑的変化が可視化できるようになり,損傷を免れた脳領域が損傷部位の機能を代償する機能的再構成が起こることが明らかにされた.これらの知見をもとに,脳の可塑的変化を促進させる治療法として「ニューロリハビリテーション」という概念が提唱された3).Constraint-induced movement therapy(CI療法)は,脳の可塑的な変化をもたらすとされる使用依存性脳機能再構築(use dependent cortical reorganization)の仮説に基づく4).その効果は大規模ランダム化比較試験5)で実証され,本邦では2003年以降,兵庫医科大学リハビリテーション医学教室の道免ら4)によって導入された.脳卒中治療ガイドライン20156)でもグレードAと推奨され,適応者への積極的な実施が望まれる.
本稿では,CI療法および修正CI療法の概説と脳卒中片麻痺者における効果について述べ,千葉県千葉リハビリテーションセンター(以下,当施設)での具体的な実施方法を紹介する.
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