Japanese
English
症例報告
左鼠径部痛と対側の腰椎分離症を併発した一症例
A case of patient with groin pain and lumbar spondylolysis on the contralateral side
梨本 智史
1
,
渡辺 聡
2
,
角張 勲
1
,
渡邉 博史
1
,
杉戸 裕一
1
,
飯田 晋
1
,
江玉 睦明
3
,
佐藤 卓
2
Satoshi Nashimoto
1
1新潟医療センターリハビリテーション科
2新潟医療センター整形外科
3新潟医療福祉大学理学療法学科
キーワード:
腰椎分離症
,
鼠径部痛
,
再発予防
Keyword:
腰椎分離症
,
鼠径部痛
,
再発予防
pp.311-316
発行日 2019年3月15日
Published Date 2019/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201494
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要旨 【はじめに】左鼠径部痛と対側の腰椎分離症を併発した症例を経験し,両者の関連性から腰椎分離症の発生要因を考察した.【症例・経過】17歳,男性,高校サッカー部.1か月前から左鼠径部痛を自覚し,その1週後に腰痛を感じた.Computed tomography画像で左長内転筋付着部の剝離骨折と第5腰椎右椎間関節突起間部に腰椎分離症を確認した.体幹自動伸展は腰痛で行えず,踵臀間距離(heel back distance:HBD)右9cm,左12cmであった.初期は股関節周囲筋のストレッチと胸椎回旋伸展運動を行った.体幹伸展可動域は徐々に広がったが,最終域での右回旋が伴っていたため,左大腿前面筋のストレッチなどは入念に実施した.【結果】介入4か月で骨癒合を確認し,競技復帰が許可された.体幹伸展時の右回旋や痛みも軽快し,HBD右0cm,左1cmとなった.【考察】左長内転筋付着部剝離骨折に伴う柔軟性低下が体幹伸展時の右回旋につながり,腰部へのメカニカルストレスの増加,腰椎分離症による疼痛発生に至った可能性が考えられた.
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