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報告
上肢の肢位変化における体幹機能評価の検証—体幹と下肢の筋活動動態に着目して
The effects of limb position change of the upper limbs on the trunk function evaluation: study of trunk and lower limb muscle activity
平林 怜
1
,
村上 成道
2
,
岩谷 友倫
2
,
伊坪 敏郎
2
,
青木 啓成
2
Ryo Hirabayashi
1
1新潟医療福祉大学運動機能医科学研究所
2相澤病院スポーツ障害予防治療センター
キーワード:
下肢中間位保持テスト
,
体幹機能評価
,
筋活動
,
反応時間
Keyword:
下肢中間位保持テスト
,
体幹機能評価
,
筋活動
,
反応時間
pp.305-310
発行日 2019年3月15日
Published Date 2019/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201492
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要旨 【目的】本研究の目的は,下肢中間位保持テストにおける上肢の肢位変化が体幹下肢の筋活動動態に及ぼす影響を検討することである.【方法】対象は健常男性16名右下肢,評価肢位は上肢下垂位,上肢挙上位の2肢位で施行した.電極貼付位置は広背筋,内腹斜筋,外腹斜筋,中臀筋,大臀筋,大腿筋膜張筋,大腿二頭筋とした.また,徒手抵抗位置にも電極を貼付し,徒手抵抗をした際にノイズを発生させた.徒手抵抗は徒手抵抗位置に35N・mで3秒間施行し,各肢位交互に徒手抵抗を7回ずつ試行した.【結果】筋活動増加率は上肢下垂位と比較し,上肢挙上位で内腹斜筋,広背筋が有意に増加した.反応時間では,肢位間の筋の比較でいずれも有意な差を認めなかった.肢位別での筋の反応時間では,上肢下垂位で内腹斜筋が広背筋より有意に反応時間が早かった.上肢挙上位では,内腹斜筋が中臀筋,広背筋より有意に反応時間が早かった.【結論】本研究結果より,下肢中間位保持テストは体幹筋の先行収縮により股関節外転筋の筋出力を発揮することが明確となった.また,上肢挙上位では,体幹筋の腹部と背部の筋活動量が増加したことから,上肢下垂位よりも体幹筋の収縮が必要となる評価であることが明らかとなった.
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